かばんの中の折りたたみ傘~診断士KOMAPPY活動メモ~

診断士としてやっていること。これからやることを。講義録とか、セミナー等のレポートも。

日本財務管理学会第34回春季大会@文京学院大学

小雨の降る中、東京は本郷にあります文京学院大学「日本財務管理学会第34回春季大会」が開催されました。朝9時からしっかり勉強してきました!

メインテーマ(統一論題)は「信用格付業者規制と会社財務」、記念講演は「台湾半導体産業の運営戦略と財務リスク」ということで、活発な議論、研究発表が行われました。

統一論題のパネルディスカッションでは、実務家が揃っているからこそできる討議、例えば「格付けって頼んだらいくらかかるのですか?」みたいな質問に対して、格付け会社がどういう視点で値段を設定し、実際どんなメカニズムが働くのかという解説もあったりして刺激的な会でした。

 

そんな中で私がピックアップするのは午前中の自由論題から桒田彰さん「燃油費抑制策等が損益に与える影響の分析ー日本航空を対象としてー」。

 

私が興味深いなと思ったところは(文責は私にあります。)

・ジェット燃料を対象とした課税が行われているのは、日本の他はアメリカくらい。日本は全国的に空港を整備するための財源としてこの税が使われた。空港整備がひと段落したので、税率はやや下がった。

・ここ数年の円高傾向に対し、ヘッジをかけ、成功した年は数百億の利益(節約)ができた時もあるが、失敗して逆に大きな負担になった年も。

・これらの要素(租税公課・為替相場)に加え、シンガポールのケロシン市場価格が燃料価格に影響する要素。

燃油サーチャージは燃料価格の高騰に際して、設定を許可されたものであるが、データを見ると特に国際線では不採算路線や、長距離の路線でうまくカバーができていて、これが日本航空の業績を下支えしている可能性を示唆している。

 

こういう実際の事例が企業業績にどう影響を与えているかの分析が学会という場で聴けるのは貴重だなと思います。

 

次回の財務管理学会の秋季大会は、10月に近畿大学で開催されます。