かばんの中の折りたたみ傘~診断士KOMAPPY活動メモ~

診断士としてやっていること。これからやることを。講義録とか、セミナー等のレポートも。

見越と繰延

 2月から3月にかけて怒涛の日々が続いておりました。久々こちらのブログを更新させていただきます。

 

 2月25日から求職者支援訓練「経理・総務事務スタッフ養成科」がスタートして早3週間。私の担当としての目標は簿記の先生として、6月9日にある日商簿記試験の合格。特に2級の合格なのですが、順番としてはまず3級が先。そこで受講生の方々には、短期間で3級範囲を体験して頂いています。てなわけで、実はこの間に仕訳的には3級の主要範囲を一通り学んでいただきました!来週は補助簿の付け方、そして試算表、精算表と進んで行きます。

 

 そんな中で受講生の方に頂いた質問、「見越」と「繰延」が理解できないのだけれど・・・。と質問をいただきました。

 

簡単にいうと

見越とは、来期→当期。

繰延とは、当期→来期。

 

 

見越は今年まだ発生していない費用または収益を当期分として認識することなので、費用ならば借方、収益ならば貸方と「本来勘定科目として発生する側を増やす。」

 

繰延とは当期払ってしまった分の一部を来期分に送るので、費用ならば貸方、収益ならば借方と、「本来勘定科目として発生する逆(取り消す側)を増やす。」

 

費用なら本来借方に、収益は貸方に立ちます。この基本をきっちりマスターしてそこから、引くのか、足すのかをきっちり理解することが大切だと私は思っています。(もし、緊張して、覚えていたことを忘れてしまっても基本がしっかりしていればすぐ思い起こすことができますから。)

 

 仕訳でいいますと

 <見越>

 ・費用

 期末(借)(~費用)×× /(貸)(未払費用)××

 例えば、お金を借りて利息は来期まとめて払うというときには、まだ払っていないけれど、当期に属する分の利息を費用計上(借方)にし、貸方にはあとで払わなければならない義務としての負債を置く。

 ・収益

 期末(借)(未収収益)×× /(貸)(~収益)××

 来期に1年分の収益をまとめて受け取る時、今年分に属する収益を貸方に立て、借方にはこれからお金を受け取れる権利が生まれたということで資産を置く。

 

 <繰延>

 ・費用

 期末 (借)(前払費用)××/ (貸)(~費用) ××

  1年分まとめてはらった費用の一部が来期分の分にもかかっている。その分を差し引くので、費用が貸方に行く。借方はその分来期にもその分の効用が得られるので前払い費用という資産を置く。

 

 ・収益

 期末(借)(~収益)××/ (貸)(前受収益) ××

  1年分まとめて受け取った収益の一部が来期分にかかるので、当期の収益を取り消すため、収益を借方に置く。貸方には、受け取ってしまった分、その分の働きを来期にしないといけない(例:家賃なら来年もその分の期間家を貸す。)ので、債務→勘定科目的には負債となる前受収益を置く。

 

 この見越と繰延は簿記3級試験では第5問で出題される精算表でも重要な位置を占めます。じっくり繰り返し取り組んで行く予定です。