かばんの中の折りたたみ傘~診断士KOMAPPY活動メモ~

診断士としてやっていること。これからやることを。講義録とか、セミナー等のレポートも。

ポジションをどう置くか-差別化

本日は秋葉原での企業研修最終日。来週からは別の場所に移るということで名残惜しいところではあります。最終日はマーケティングの講義で、テーマは「標的市場の選定」でした。(全体像は先日行った講義録からどうぞ。)今日はその中からポジショニングを中心にお話しました。

 

秋葉原といえば、デンキの街。ここにおいても今の主力商品は、PCやケータイ。そんな中でも、昨日発表されたipad miniは、よく訪れる人にとって気になる商品ではないでしょうか。

 

でも、報道によると「appleらしくない」と。7インチのタブレット端末は他社が先行し、apple創業者のジョブス氏も否定的だったとか。にもかかわらず発表されたipad mini。もしかすると、これがapple後退の前触れにならないといいけれどという見方も出てきています。

 

appleがこれまでファンの期待に応え、市場の期待も高かったのは、「something defferent」だったから。マッキントッシュで新しいパソコンという世界を作り、ipodで音楽の聴き方を変え、iphoneで携帯の新しい形を作り、ipadでは情報の取り方を変えようとしている。そして、それがスタイリッシュで、持っていることが嬉しく思えるそういう製品。これが「差別化」ってやつだったわけです。

 

appleのポジションはそういうところにあります。汎用品か高級品かといえば高級品。なにしろほかにはないわけですから、持つ人のこだわり度は高いです。安いか高いかといえば高い方。これでappleはこのところ、快進撃を続けてきました。今回のipad miniは売れるでしょうけれど、すでに市場が出来始めているところに出て行くのはいわば「汎用品」に攻め入るのと同じこと。いつものポジションとは違います。(もちろん、appleらしいデザインと、価格が若干高いというところの共通点は残っていますが。)

 

このあとappleらしさが続くのか?もしも、appleから「らしさ」が消えてしまうと、アメリカの高株価を引っ張っている銘柄だけに心配になってきます。