企業の社会的責任(CSR)
今日は船橋市での講義。
テーマは前半は組織論の締めくくりでしたが、後半から戦略論で積み残したCSRとか、コーポレートガバナンスとかのテーマに取り掛かることにしました。今日はCSRを取り上げましょう。
最近、コンプガチャなるソーシャルゲームが問題になっています。レアなカード収集に高額な費用がかかり、射幸心があおられた。法律上は特に問題はなくとも、青少年をターゲットとした携帯プラットフォームのゲームでは、社会通念上の問題があったわけです。
そういえば先月、こちら千葉県西部では利根川上流のどこかの企業(?)から出された科学物質により、ホルムアルデヒドが検出され、断水騒ぎなんていうこともありました。
企業のふるまいは予想外の形で、我々の日常の生活に影響を与えます。いいことだったらいいですけれど、健康や生活に悪影響が出かねないことはやはり避けてほしいと思います。
その一方で、震災直後には飲食関連企業が無料の炊き出しを多くの地域で実施していました。こういった無償の貢献も企業によって行われたりもしています。また、文化的事業が企業のサポートにより実施されることも多いですよね。
企業はお金儲けをするのが本来の機能。でも、それでは社会の一員としての企業としては問題がある。企業市民=コーポレートシチズンシップに基づき、企業がお金儲け以外の市民として、その責任を果たす。それが企業の社会的責任=CSR:corporate social responsibility の意味合いです。
企業の基本的責任が、端的にいえば儲けることで、儲ける以外になすべき責任(義務的責任)というべきものが納税とか、雇用の創出とか、外部不経済(公害とか、水質汚濁等)を防ぐとか、内部不経済(不正防止とか、欠陥商品を作らないとか)をなくすなどというようになります。
さらに進んだCSRとして支援責任というカテゴリーがあり、文化支援(メセナとか)、社会支援(フィランソロピーとか)、政治経済的支援(国際経済支援とか)などが挙げられます。