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かばんの中の折りたたみ傘~診断士KOMAPPY活動メモ~

診断士としてやっていること。これからやることを。講義録とか、セミナー等のレポートも。

昔はよかった・・・のかな?~日本的労務慣行の利点~

木曜日午前中は秋葉原で企業研修(経営学)の講義です。

講義時間は3時間ですが、求職者支援訓練に比べ、ゴールが遠い(期間限定ではない)のでぐっとかみくだいてゆっくりとしたペースで、新入社員の方々にもわかりやすいエピソードを交えたりしながら、お送りしています。

 

今日のポイントは「日本的経営の利点」と「職能資格制度」についてでした。このブログでは、前者をご説明しましょう。

 

高度成長期から20世紀終盤まで、日本の企業はアメリカに追いつけ、ということでずいぶんといろいろなことをまねしながら、どんどん能率を上げていきました。

ところが、その基盤となる労使の関係には、アメリカにはなかった「日本的な労務慣行」というのがありました。友好的な労使関係が前提の基本では、他国ではなかなかできなかった従業員の自主的な改善活動等もあって、(各国では敵対的な労使関係というのが普通です。)ぐんぐん生産性があがっていきました。そして、ついには本場アメリカを追い抜いてしまったところも出てきたわけです。(これが自動車摩擦等を産んだ一つの原因でもあります。)

 

さて、この日本ならではの労働慣行の中身を見てみましょう。

特徴的なのは以下の三つです。

  1. 終身雇用
  2. 年功序列
  3. 企業内労働組合

新卒で採用された日からずっと、定年まで会社で勤め上げることが前提。居続ければ徐々にお給料が上がりますし、転職しようにもどの会社も終身雇用前提だから、雇用が硬直的。だからとにかく入った会社で頑張らなくてはならない。がんばって会社が伸びれば、自分の収入も上がる。組合も産業別でなく、企業ごとだから、「わが社」が伸びることが自分の幸せにつながり、労使関係は協調路線を取ることになります。会社のために、自分も頑張る。会社と従業員の利害が一致していたわけです。こうして日本の企業は従業員と一体となって、業績を伸ばしてきました。

 

でも、最近は様子が違いますよね。1990年ころのバブル崩壊後、業績は厳しくなり、すべての従業員を守ることは難しくなりました。ITの進展はむしろ、高齢になるほどその習得が難しいので年功の価値が相対的に下がったり、また業績の悪化に伴い、年功よりも成果で評価を行う企業が増えています。

 

終身雇用を守ろうとする企業は、従業員が高齢化し、また固定化することによる保守化・人件費の高止まりに苦しんでいます。経営環境がどんどん変化する中、いままでの日本経営の良さを残したいと思いながらも、時代に対応した人事制度、評価制度の導入はまったなしの状況になっています。

 

こうして終身雇用・年功序列のシステムに代わって成果主義、目標による管理(MBO)等が導入されるようになってきました。こちらの講義、来週は成果主義について取り上げることになると思います。